◆ 地震発生のメカニズム ◆
ここからは、地恨がどのようにして発生するかということを説明していきます。
地震は、地殻の一部が割れて、その衝撃が地佃に伝わることで起こります。どんなものでも、一定以卜の力をかけると壊れます。巨大なものが破壊され崩れると、その衝撃が周囲に伝わります。
地殻とは、地球の表陪部を形成する岩石廣で、マントルの上にあり、大気や海の下にあるものです。地殻は硬い宕石で構成されていますが、地球全体の動く力がかなり強いため、この硬い岩石もじわじわ動いてしまいます。
例えば、伊豆半島はフィリピンのほうから少しずつ動いてきて、日本列島にぶつかってできたもの。インドはアフリカの南にあった大陸が少しずつ動いてきて、ヒマラヤ山脈あたりでぶつかってできたものです。
岩石のような硬いものがフィリピンから日本列島まで移動したり、アフリカの南から現在のインドまで移動すれば、大きい摩擦が生じるはずです。かなり無理な状態で動いていることもわかるかと思います。その間に岩石が割れたり、崩れたり、あるいは新しくできたりしながら、ゆっくり土の中を移動することになります。
このように、地殻は非常に複雑です。長い間、動いてきた岩石でできているので、均質ではありません。岩石と岩石の間は常にひび割れており、強い力でくっついたものは連続体になっていますが、別の力で斜めに引っ張られたり、下に引っ張られたりするので、それによって新たな亀裂も生じます。
日本の地殻の状態を詳細に調査したとしても、数年経つとまた変化します。
つまり地殻の配置は、毎日のように変わっているのです。
ひずみが溜まって地震が起きるとよく言われますが、このひずみがなぜ蓄積するかというと、岩石は並び直しがしにくいからです。岩石の並び直しが簡単にできれば、ひずみのない新しく安定した地殻に移るのですが、実際にはどこかに引っ掛かり、なかなか再配置ができません。
再配置ができないと、ひずみのエネルギーが岩石の中に蓄積していくことになるので、それがいつの日か瞬問的に解放されるようになります。これが、地震のメカニズムです。
小さな傷が多い岩石はひずみエネルギーが溜まると、すぐ動いて解消するので、大きな地震は起きませんが、地震が起きる確率は増えます。
これは茨城あたりの岩盤に該当しますが、ここでは頻繁に震度1や2という微弱な地震が起きています。地殷が起きるごとに岩盤が再編成されるので、やや安定な方向に向かいます。
したがって、茨城のように地擬が頻繁に起こる場所では、大きな地震はほとんど起きないのです。
しかし、太平洋側の海岸線のように岩盤がしつかりしているところでは、ひずみが大きくなっても、それが破壊することがありません。典型的な例としては、東日本大震災のように1000年に一度という大地震の可能性が高まるのです。
「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
R080713

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